正宗 杜康(悟) Moriyasu(Satoru) Masamune
美しい緋色。穴窯と登り窯を交互に焼成しながら、古備前の風格を現代に蘇生させるべく 1954年 備前伊部に生れる 入選 岡山県美術展・日本伝統工芸展・中日国際陶芸展 入賞 田部美術館茶の湯造形展奨励賞(昭和63年)、 花の器展特選(平成1年)、 ビエンナーレ奨励賞(平成7年) 田部美術館茶の湯造形優秀賞(平成12年) 小田急町田、 阪急、姫路ヤマトヤシキ、 山形大沼デパート、三越新宿
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10日に来年の個展の打合せに電話を入れたところ、腹痛で食事もとれないと病院に行かれたとききました。いきなり集中治療室にはいることになり、明日精密検査でしばらくは戻れないというお返事でした。それが今日お兄様からお電話があり、11日にお亡くなりになられたとの事。
言葉を失ってしまいました。まだお若くてこれからの活躍が期待されるかたですのに。思い出すのは、古備前を愛し、陶片を撫ぜながら「この色が出したいんじゃ。」と土や焼成にこだわり追い求めて来られたその姿です。気に入ったものができたときは、名前をつけてわが子のように可愛がっておられました。手元にある「銅鑼右衛門」を見ながら、正宗先生とかわした言葉の数々を思い出します。故人を偲び、その一途な情熱と少年のようなまなざし、そして見せていただいた数々の美しい焼き物を思いつつ、備前に生きた一人の陶匠の生き様を深く胸に納めたいと存じます。 2006年11月15日